生体内の再現

女医を目指す

プライマリーセルの動向

様々な基礎研究から臨床応用において、細胞が使用されています。例えば、ある薬剤が、人間の臓器や細胞に対して、どのような作用を及ぼすか、その毒性や薬理効果を、細胞を利用して調べることができます。細胞には、主にセルラインとプライマリーセルの二種類があります。プライマリーセルとは、人間や動物の組織から採取した初代の細胞のことです。セルラインは、その細胞を培養し、その元の性質を固定化し、増殖し続けるように変化(株化)させた細胞のことです。セルラインのほうがすぐに増殖し、取扱いが容易で、薬剤に対しても感受性が高いので、好まれる場合もあります。しかし、実際の生体内での薬剤の効果を再現するには、より生体内に近いプライマリーセルを使用して確認する必要があります。そのため、臨床を考えた研究では、今後より積極的に使用されると予測されます。

注意するべき点を考える

プライマリーセルの方が、より生体内を再現するとは言っても、問題点もあります。つまり、採取した元の個体の特性を反映しているので、個体差があるのです。より厳密な検証を行うには、複数の個体(人間や実験動物)から採取したプライマリーセルを使用する必要があります。また、セルラインより培養に注意が必要です。微妙な培地の変化で、増殖しなくなったり死んだりしますので、繊細な培養技術が必要です。また、プライマリーセルの採取においても、技術が必要です。例えば、多くの脳科学分野では、ラット等の胎児の海馬から神経細胞を採取しますが、非常に小さな海馬を採取し、髄膜を丁寧にはがす作業を迅速に行わないと、細胞が弱ってしまうのです。